混み合った地下鉄車内でのこと。俺のすぐ後ろに若い2人連れ。相当酔っぱらってる男を気づかう女の声。
「ねえ、ほんとにだいじょうぶ?」
「だいじょうぶだいじょうぶ!」
「イタ電なんてしないでね」
「しないしない」
「電源切っちゃうからね」
「分かった分かった」
「ねえ、ほんとにだいじょうぶ?」
「だいじょうぶだいじょうぶ」
「ささないでね」
え?
「分かった分かった」
駅に着き、男は女に手を振って電車を降りる。俺も降りる。俺の前をフラフラ歩いてる黄色のパーカーを着た若い男の後ろ姿。
“ささないでね”は漢字に直すと“刺さないでね”?
女が言った「ササナイデネ」には、どんな想いが込められてたんだろう。 |
 |

|